2023年05月01日

造園施工管理技士はどんな資格?仕事内容や将来性についても解説!

地球温暖化を食い止めようという動きがある中、都市部を中心に緑化事業が注目されています。ビルの屋上に木を植えたり畑を作ったりしている画像を見たことがあるという方もいるでしょう。このような緑化事業をすすめる上で「造園施工管理技士」の存在は重要ですが、「造園施工管理技士」について詳しく知る方は少ないでしょう。そこで、この記事では「造園施工管理技士」の業務内容やその必要性について詳しく解説します。

1. 造園施工管理技士とは?

造園施工管理技士は、公園や緑地などの造園工事の施工計画から現場管理まで行うための国家資格です。

1-1. 造園施工管理技士はどんな資格?

造園施工管理技士は、公園や道路などの公共の場所の緑化や、ビルの屋上に庭園を作るといった工事の施工管理をする資格です。さらに、工程の計画、資材の調達、現場の安全管理など工事一式すべてに関わるための資格でもあります。建設工事を行う場合、法律により現場に「主任技術者」を配置する必要がありますが、規模や金額が大きい公共事業の場合ランクが上の「監理技術者」を配置しなければならないことになっています。造園施工管理技士は1級と2級があり、2級取得者は主任技術者として、1級取得者は主任技術者および監理技術者として任務につけるでしょう。

1-2. 試験について

1級、2級とも最終学歴などにより決まった受検資格があります。受験する場合は、試験を管理している「一般社団法人全国建設研修センター」のホームページであらかじめ資格を確認しておく必要があります。

2. 造園施工管理技士の仕事領域

造園施工管理技士は、スムーズに造園・緑化の工事が行われるように管理する仕事です。仕事内容について解説します。

2-1. 造園の施工管理

造園工事は公園だけではなく公共の広場、学校、マンションの共有地、最近ではビルの屋上などさまざまな場所で行われています。造園工事の施工管理の仕事は、「工程が予定通り行われているか」「品質は保たれているか」「人件費や材料費などが予算内に収まっているか」「作業員の安全は確保されているか」について管理する、この4つがメインです。工事開始前には、クライアントや設計者の意見を聞きながら工程表や施工図を作成し施工計画を立てる、費用の見積もりをするといった業務を中心に行います。

工事開始後は工程、品質、安全管理が業務の中心です。植栽など工事に必要な物資の搬入や必要な人員の確保など、工事がスムーズに進むように管理します。植栽はやり方を誤ると植物が育たないこともあり、作業員に正しい植栽方法を伝えなければなりません。また重機の使用や高所での作業もあることが多く、一歩間違うと大事故につながる可能性があるため安全面では細心の注意を払う必要があります。

2-2. 活躍できる業界

造園施工管理技士の資格があれば、造園会社や土木・建設会社をはじめ不動産会社や工務店などで活躍できます。工務店では、造園だけでなくその他の工事全般の管理を任されることが多いでしょう。ほかに寺院や旅館、歴史的な建物などの庭園を管理する庭師や、エクステリアデザイナーやガーデンデザイナーとして働く選択も可能です。

3. 造園施工管理技士の将来性

造園施工管理技士は造園および関連する工事の管理ができる国家資格であり、1級造園施工管理技士であればより幅広い業務に対応できます。個人宅の造園だけではなく、公共事業など大規模な事業にも携われる資格として今後もニーズは高まるでしょう。

3-1. 需要が高い

造園工事は今後もなくなる可能性は低く、造園施工管理技士は将来性のある資格です。工事全体の管理と合わせて現場の作業員や職人をマネジメントできる人材は常に不足しています。また造園業は工事の終了後もメンテナンスが必要なことから、クライアントからの継続した発注が見込める点は大きなメリットといえるでしょう。

3-2. 環境保全の機運の高まり

景観や環境の保護のために、造園の仕事は不可欠です。昨今では二酸化炭素排出量削減の取り組みの一環として、ビルなどの緑化工事が増加しています。それを受けて、造園施工管理技士の需要は高まりつつあるでしょう。また、日本の庭園が国外から注目されており、工事件数が増えていることも追い風となっています。日本だけでなく国際的にも環境保全は大きな課題となっており、国や自治体が公共の場を整備する際に緑化工事は必須になると予想されるため、造園業の需要は今後も高まるでしょう。

4. まとめ

造園施工管理技士は国家資格であり、主な業務は造園工事が問題なく行われるように工事全体を管理することです。1級と2級のランクがあり、1級を取得すると監理技術者としてその工事の管理ができます。環境保全の動きの高まりとともに、今後も造園施工管理技士の活躍する場面は広がるでしょう。

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